鞍掛山 Kurakakeyama (2006.10.21)

山梨県白州町にある日向山(1660m)からさらに原生林の中を奥へ奥へと登って行くと、鞍掛山(2037m)があります。
そこからさらに下って上り返すと鞍掛山の展望台があります。花崗岩の、真っ白で小さな展望台からは眼前に凛凛しく
聳え立つ甲斐駒ヶ岳、そこからギザギザの山容の、のこぎり岳と深い谷、カラマツの黄葉など、秋の一日を堪能してきました。

黄葉

日向山へ登山道の黄葉

白州町から林道を登山口のある矢立石まで、途中左に尾白川渓谷への道を分け、車で登って行きます。10分ほど登ったでしょうか、行き止まりの路肩に5、6台分の駐車スペースがありました。日向山ハイキングコースと書かれた登り口から、落ちた栗やどんぐりでいっぱいの道を登って行きます。しばらく登るとカラマツとモミジの黄葉が美しく山を彩っていました。

雁ヶ原から紅葉

雁ヶ原から山肌の紅葉

山梨森林百選にも選ばれているカラマツ林を登って行くと、突然目の前が開けて、花崗岩の真っ白な雁ヶ原に到着です。日向山頂はその少し手前の樹林の中にひっそりとありました。雁ヶ原の砂地を少し下りて、岩のでっぱりに立つと、深い谷底に落ちる山肌の紅葉が印象的でした。空にはこれから向かう鞍掛山と、その向こうに甲斐駒ヶ岳が頭を見せていました。

紅葉

山肌の紅葉

この雁ヶ原はもろい花崗岩が崩落している斜面で、面白い形の岩があちこちに残っています。真っ白な砂と岩と山肌の紅葉のコントラストがすばらしく、しばらく時間の経つのを忘れて眺めてしまいました。

雁ヶ原

雁ヶ原

やはり雁ヶ原の写真です。真っ白で滑らかな砂地に、ギザギザの岩が面白い形に残って並んでいます。

下から雁ヶ原

雁ヶ原を見上げると

まるで新雪の斜面を歩くように柔らかい砂の上を降りてきました。真ん中辺の筋が私たちが下りてきた跡です。この砂の斜面は右下にずっと落ちています。

鞍掛山展望台から甲斐駒

鞍掛山展望台から甲斐駒とカラマツ

雁ヶ原を下り、錦滝から林道を経て車を止めている矢立石へ戻る道を左に見送り、鞍掛山の登山道へ入って行きます。一旦少し下り、急な斜面を登り返します。登山道というより、獣道を登っているようでした。狭い痩せた尾根や斜面をへつらって行くような場所もあり、木の枝に付けられたテープを頼りに進んで行きました。途中のカラマツの黄、ドウダンツツジの赤、上に行くに連れ紅葉も進んで美しかったです。樹林の中の鞍掛山頂から左に折れ、一旦下り、急な斜面を登り返すと、やっと展望台に到着しました。

展望台からのこぎり岳

展望台からのこぎり岳とカラマツ

目の前には、左に黒戸尾根、右にのこぎり岳を従えて、さらに大きく立派な甲斐駒ヶ岳が聳えていました。足元の花崗岩は深い谷へとすっぱりと切れ落ちて、向かい側の山肌の紅葉と共に、山深い迫力ある景観を作っていました。

甲斐駒ヶ岳

展望台から甲斐駒ヶ岳

ちょうど太陽が真上に来てしまいました。甲斐駒は雲と光の中に隠れてしまっています。時折雲が途切れて山頂を覗かせていましたけれど、なかなか思うような写真は撮れませんでした。

展望台の黄葉

展望台付近の黄葉

花崗岩の岩の上に立つと谷底へ向かってカラマツの黄葉が広がっていました。覗き込むのは恐いくらい深い谷です。しばらく座って景色を楽しみました。

展望台の黄葉

展望台付近の黄葉

この付近のカラマツの黄葉は今が盛りでした。太陽の光に黄金色に輝いて、ところどころにあるドウダンツツジの赤と深い緑、真っ白な岩、ほんとうに美しい景色でした。

滝

錦滝

展望台でゆっくり至福のひとときを過ごした後は、また急な斜面を下ったり登ったり、そして延々と下って、日向山雁ヶ原下の林道への分岐まで戻ってきました。そこからまた急な斜面を下ると車を止めている矢立石へ通じる林道へ出ます。林道の脇に、糸のように滑らかに岩を滑り落ちる錦滝がありました。

林道から紅葉

林道から山肌の紅葉

錦滝を後に平坦な林道を駐車場のある矢立石まで戻ります。木々の紅葉を見ながら、秋色の中の道を下ってきました。途中で何度も遠くに聳える甲斐駒ヶ岳と紅葉の木々に別れを言いながら... この日は矢立石から日向山までは1時間半、日向山雁ヶ原から鞍掛山展望台までは2時間半、合計で4時間かかっています。下りはさすがに早く、鞍掛山展望台から雁ヶ原までは1時間半、錦滝経由林道を歩いて駐車場まで1時間、合計2時間半で戻りました。

写真をクリックすると大きく表示されます。(Please click the image to enlarge it.)

秋の山へ戻る

トップへ戻る